始めてでもわかる子ども食堂の開き方・続け方

NPO法人静岡市子ども食堂ネットワーク理事長E沼の個人的主観的ブログです。3年間で10か所以上の子ども食堂を開いて運営してきたコツやノウハウを誰にでもわかり易く子ども食堂を始められて、長く続けていくコツや考え方を書いていきます。子ども食堂のこと、社会のこと、子ども達のこと、自分のこと。いろいろと主観ですが素直に書いて行きます。

子ども食堂の会場が決まったらすべきこと② 「保険編」

子ども食堂の厨房や衛生のことを保健所に相談したら次は保険に入る準備をしよう。
 
保健所への相談と同じで保険に入っていない子ども食堂もあるかもしれない。
でもそれはとっても危険なことだから今すぐに無保険での活動は辞めて欲しい
そしてこれから子ども食堂を始めようと思っている人は保険の大切さを知ってほしい。
それじゃ俺の主観の話を聞いてくれるかい?
 
今、子ども食堂の活動を行っていて食中毒の保険に入っていない子ども食堂の割合は何%なのか、自分にはわからない。
静岡市子ども食堂ネットワークを始めた2016年1月の段階ではほとんどの子ども食堂が保険には入ってなかったと思う。
少なくとも自分の見聞きした範囲では聞いたことはなかったからね。

静岡市子ども食堂ネットワークではまず何を置いても食中毒の保険に入りたかったんだ。
だから2016年の4月の初めての子ども食堂当初の時点で、民間の保険会社の飲食店向けの食中毒の保険に入った。
最近はクラウドファインディングで「子ども食堂に保険を」のようなチャレンジを行っているので、子ども食堂開催者さん側も保険の大事さは浸透してきたんだと思う。
ただ逆に考えればクラウドファインディングでチャレンジしていると言うことは、まだ全ての子ども食堂が保険対応ではないと言うこと。
まだまだこれからだと言うこと。
 
これはよく説明する例え話なんだけど「足を骨折した人が大変そうだから、車で送ってあげよう」って言う善意の行動があるとする。
でもその送る車が「保険に入ってなかったら」どう思うだろう?
善意の行動だとしても送る途中で車が事故にあったら、無保険であったことで同乗者さんの怪我に何もしてあげれない。
それどころか善意が仇で余計に怪我をしてしまうかも知れない。
また折角の善意の行動が支えきれないほどの責任を運転者に負わされることになるかもしれない。
子ども食堂も同じで善意の活動でも予期しない・予想していない事故が発生する可能性がある
事故が起きないように最善の努力をしても「絶対に事故は起きない」なんて誰にも分らないし、そんな説明では誰も納得しない。
でも「子ども食堂の本来の活動に直接関わらない保険にわざわざお金を払って入る意味があるのか?」と考える人がいるかもしれない。

だから俺は保険に入る意味は3ステップで考えてればわかり易いと思っているよ。
1 まず食中毒が起きないように衛生面などで最善の注意と最大の努力をする。
2 それでも事故が起きる可能性は0じゃない。だから保険に入って最悪な状況となっても子ども食堂を行う者として最低限の責任を果たす。
3 それは利用者である子ども達と保護者さん、そして一緒に協力してくれるボランティアさんに子ども食堂を見守る地域の住人の方々や自分自身を守るためでもあるから。
 
分かってくれたかな?
もう一度言うよ。
保険は自分達と子ども達・利用者を守るため、それと責任を果たす姿勢を周りに伝えるため
良く覚えておいてほしい。

だから保険に入らずに子ども食堂を行うのは善意はあっても誰も守れていないし、責任も果たせていないんだ
忘れないで欲しい。

子ども食堂を始めようと思ったのは誰かを救うためや守るために始めようと思ったはず。
だから保険にも入って善意だけじゃなく責任も果たしてほしい。
と言っても保険に入らない入れない理由もあるかもしれない。
それじゃ保険に入るメリットとデメリットを考えてみよう。
 
保険に入るメリット
・食中毒などの事故が起きた時に治療費・入院費など金銭的な保証ができる
・保険に入ることで運営者・ボランティアさんの個人資産を守ることが出来る
・保険に入っていることで子ども達・保護者さんと言った利用者が安心して食事ができる
・地域の住民の方が子ども食堂の活動に安心してくれる
・行政や保健所・企業などが安心して協力できる
 
まとめると保険に入ることで3つの効果が期待できるんだ。
一つは何かあった時に金銭的なフォローが行える
もう一つは自分達運営者を守ることが出来る
そして最後に周りの人たちから信用されると言うこと
この3つをよく覚えておいて欲しい。
それじゃ次はデメリットを考えてみようか。
 
保険に入るデメリット
・保険料が発生する
・保険契約の手間がかかる
契約をするために色んな保険を探さなけりゃならない。
そしてその為に必要な資料を用意しなくちゃならない。
そして最後に保険料を払わなければならない。
でも契約は一年に一回で構わない。それも二年目からは更新だけだから全然大変じゃない。
お金は確かに掛かるけど利益が出ない子ども食堂だから食中毒の保険に限れば年間で1万円もかからないと思う。
食材費の方が経費としては圧倒的に掛かる訳だし、その金額でメリットを得られるなら安い経費だと俺は思っているよ。
 
 
食中毒の保険の種類
最後に保険の種類の話をするよ。
食中毒の保険と言っても民間の保険会社の保険もあれば、社会福祉協議会が窓口になっている保険もある。
だからまずは社会福祉協議会や市役所の窓口で子ども食堂向けの食中毒対応の保険があるかどうか聞いてみるといいと思う。
そして民間の保険会社にも聞いて欲しい。
ただ、民間の保険では飲食店のための保険だと思うから「飲食店」でないと保険に入れないかもしれない。
どちらでも構わないので自分たちの状況に一番適した保険を見つけて子ども食堂開催前に保険対応しておこう。
 
それじゃ保険は取り合えずココまで。
大事なことは保険にはとにかく入ること
それじゃ次回は子ども食堂の会場が決まったらすべきこと③ 「地域挨拶編」」の話をしようと思う。
 
 #子ども食堂 #始め方 #静岡市子ども食堂ネットワーク #食中毒 #保険