始めてでもわかる子ども食堂の開き方・続け方

NPO法人静岡市子ども食堂ネットワーク理事長E沼の個人的主観的ブログです。3年間で10か所以上の子ども食堂を開いて運営してきたコツやノウハウを誰にでもわかり易く子ども食堂を始められて、長く続けていくコツや考え方を書いていきます。子ども食堂のこと、社会のこと、子ども達のこと、自分のこと。いろいろと主観ですが素直に書いて行きます。

子ども食堂のお金の話 「支出」偏

今回はお金の話をしようと思う。
それも切実な支出の話
思いは大事なんだけどお金も見据えていないと後々大変になっていくからね。
思いははあるけど重くてつらい・・・そんなことにもなるかも知れないから。
それじゃ子ども食堂に絶対にかかってくる支出の話。
割とシビアな話になると思うけど少しでも参考になれば嬉しいから、俺の主観の話を聞いてくれるかい?
 
まずは支出の話
子ども食堂は食事のための食材を毎回用意しなければならない活動上、食材を購入しなければならないんだ。
つまり毎回お金が出て行く活動だと言うこと。
ランニングコストが常にかかる活動とも言える。

例えば環境保護の活動と比べてみようか。
環境保護活動なんかは最初に用意しなければならない物が多いんだ。
清掃用具みたいな道具類だったり、長靴や作業着のような服装類。
場合によってはチェーンソーや車両みたいな大きな物も必要になるかもしれない。
その点、子ども食堂は最初に用意するものは少ない。
調理器具や炊飯器や食器類は最初に用意しなければならないかもしれないけれど、借りる会場によっては炊飯器や調理器具が用意されている場合もある。
食器類は重さの問題から紙コップや紙皿で活動を行う場合もある。
そう考えると最初に用意しなければならない道具類は比較的少ない。
つまり子ども食堂は他の活動と比べても用意する物が少ない分、金銭的には比較的始めやすい活動とも言えるわけ。
だからこうして全国的に急速に増えて行っているのかも知れないね。
 
次は毎回にかかる経費を比べてみようか。
環境保護活動の場合、ゴミ袋とか軍手なんかは使い捨てだから毎回の活動のたびに必要となるよね。
でも、基本的には最初に多くの道具類が用意されていれば、活動の度の消耗品費は決して大きな金額にはならないはず。
もちろん、参加する人数にもよるけれど道具さえ揃っていれば消耗品費自体は決して高額ではないから。
それに比べると子ども食堂は何十人分の食材費、容器代、会場使用料と開催するたびに出て行くお金は多い。
この三つは普通に毎回経費として払っている子ども食堂は多いんじゃないかな?
もちろん、紙コップや割り箸を使っていなかったり、会場使用料を払わなくてもいい環境だったりする運営者さんもいるかもしれない。
でも食材費はどうしてもかかってくる。
つまり子ども食堂は他の活動と比べると続けるのは金銭的には大変な活動ってことになるんだ。
まとめると「始めるのは比較的負担はないけど、継続する事は大きな負担となる活動」ってことになる。
これは開催している運営者さんならとっても良く分かることだろうね。
 
ちなみに静岡市子ども食堂ネットワークを例にお金の支出を考えてみよう。
1会場の平均の調理人数は40名~50名分だから少なく見積もって40食作るとする。
40食x250円(一食あたりの食材費)だから10000円が食材費。
会場使用料が2000円。
保険代が1500円。
チラシ代が500枚として1000円。
このくらいは絶対に払わなくちゃいけない。
合算すると14500円。
それに会場によっては紙コップや割り箸の消耗品費として1000円。
お茶なんかで500円。
これを足すと16000円になる。
つまり毎回開催するごとに40人定員だったら毎月15000円は必要ってことだね。
静岡市子ども食堂ネットワークの認定子ども食堂は毎月一回開催で現在12か所だから毎月180000円必要になる。
それを一年間で12回開催だから一年間の開催に必要な最低限必要なお金は2160000円となる。
これに事務所の家賃が乗っかると・・・。
この規模を続けて行くには考えるのが怖くなる金額が必要ってことだね(笑
一年で新車が買えてしまう。

まあ、静岡市子ども食堂ネットワークは「静岡市内の全小学校区に子ども食堂を作り広げる」ことをミッションにしているから拡大しなくちゃいけないから年間これだけ必要なんだけど、自分達で一か所の子ども食堂を続けて行くのにも年間18万円は必要だってことを覚えていて欲しい。
そしてこれには自分たちの経費。
例えばガソリン代みたいな交通費やガス代電機代は入れていないから、自分たちの持ち出し分はもっと増えているはず。
40人規模の子ども食堂を月に一回、一年続けたら全部まとめると20万円くらいは必要なんだよね。
 
それじゃこの支出をなんとか低く抑えられないか?ってことを考えてみたくなるのが人情。
それとこの支出分以上の収益をどうすれば得られるのか?ってことも考えないと続けて行くことは出来ない。
子ども食堂の活動を続けるには「支出が収益を上回らない」ことを常に考えていないといつかは金銭的に行き詰るから、同じ活動をするのに支出が少しでも低くなるほうがいい。
 
だから次回は「必要な支出を少しでも抑える方法」を説明したいと思う。
まずは収益を考える前にかかる経費を少しでも抑える事を考えてみようか。
 
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